手の親指の腱鞘炎でお悩みの患者様

手の親指の腱鞘炎でお悩みの患者様が当院に来院された経緯
1ヶ月程前から右手にこわばりを感じ始めた。
2週間前には、タオルを絞ろうとしたところ手の親指に激痛が走り、整形外科へ受診。
「安静にしてください。あまりにも痛いなら痛み止めの注射でもしますか?」
とだけ、告げられ注射は嫌だったため、
その日は痛み止めの飲み薬と貼り薬を貰って以降、病院へは行くのをやめた。
2,3年ほど前にも一度同じ症状で苦しんだ経験があったためネットで調べてところ、
「根本的に改善させる」と言う説明に納得し受診へ至る。
検査
普段、業務によっては1日6時間以上は常にパソコンと向かい合っての作業が多いとのことで、肩こりや腰痛も頻繁にある。
- 手首を尺屈する(小指側に向かって曲げる)と、橈骨上に痛みが誘発。
- 手のひらを開く動作でも母指球に痛みがある。
- 患部に軽度熱感と、強い圧痛を認める。
- 体幹が右回旋で、右肩の巻き肩が強い
- 小胸筋、腕橈骨筋の筋緊張を認める
- 頸椎3番、5番、7番のズレ
- 骨盤が右側が後下方、左側が前上方へ傾きあり
デスクワークの姿勢がそのまま歪みに出ていると言った感じ。
手元のキーボードに対して画面の位置なども確認。
初回
整形外科にて過去に画像診断をしてもらった際に
「骨に異常は無し」
と診断されていることや、
当院にご来院される前に患部へのセルフマッサージなどを
ご自身で繰り返しても一向に改善の様子が
見られていないことから、
まずは患部以外に問題が無いかを調べ、
施術に移りました。
肩関節、肩甲骨と鎖骨のズレや、胸椎の歪み、
各関節の可動域制限を取り除くようにまずは施術を行う。
背骨と肋骨の接続部位にも硬さを認める為、
日頃の仕事中の姿勢が大きく影響していると思われる。
次いで、上肢の調整を行い、本日の施術はこれで終了。
2回目(3日後)
痛みの強さは前回と同様だが、
以前よりもパーに手のひらを広げやすくなっており、
「背筋が楽に伸ばせるようになってきた」との実感。
ご本人の姿勢に対する意識もついている。
施術は前回同様に、肩甲帯の調整と背骨の調整。
上肢への調整を行う。
グーに握った状態で手首を返す動きで出ていた痛みが軽減
したところで、本日の施術はこれで終了。
ご自宅に戻って行ってもらう、セルフケア指導も同時に行う。
3回目
今日から2回目同様の施術に加えて、頸椎の調整も行う。
特に肩や肩甲骨、肋骨へ繋がる筋肉の走行に関与する部分を調整。
- 手のひらをパーに広げる際の痛みが、減少し始める。
- 手首の尺屈時の痛みも以前より減少。
- 患部の熱感と圧痛はほぼ消失。
体幹の右回旋がやはり目立つので、重点的に施術で調整する。
本日の施術はこれで終了。
4回目
「濡れたタオルを絞れるようになってきた」
と、ご本人から報告。
前回、調整した頸椎の歪みから確認。
引っ掛かりや可動域に左右差があるので引き続き調整。
また、当初の主訴にはなかったが、
先週の休日に長時間運転をされたそうで、
以前までは1時間以上連続して運転すると
右の鼠径部に鈍痛が出ていたそうですが、
今回は全くでなかった、との事。
患部だけでなく、体全体のバランスが整い始めていることを確認し、本日の施術はこれで終了。
7回目
当初の痛みから、痛みのスケールは
10 → “1”
日常生活動作で痛みが出るのは、ペットボトルのキャップを開ける時。
ここから、患部に対して再調整を行った。
当初は患部以外の問題をしっかりと解除するように施術を繰り返してきたが、
痛みが出始めてから長期間無理な動きを強いられていたこともあり、
全身のバランスが安定したことを確認した上で患部の微調整を行う。
以降の経過は、痛みが出ることなく生活でも従来通り手先が使えているとのこと。
ご本人の意向もあり、2週間に1回のメンテナンスへ移行。