ランニングをしていて膝の痛みがあるあなたへ
「膝が痛いけど、原因が分からないのでどう対処したらいいのかわからない」、「練習が満足にできない」と不安になっていませんか?
実はそういった悩みを抱えている方は少なくありません。
でも、心配しないでください!ここではとくにランニングによる膝の痛みの原因と、そこから考えられるメカニズムや対処方法を含めて説明しています。
一人で悩まずにまずは実践してみましょう!
スポーツによる膝の痛みの種類
陸上やサッカーの選手など走ることの多いスポーツは膝の怪我が多いです。
その中でも動かし始めなどで膝の内側が痛い、押すと痛いと感じられているあなたは鵞足炎の可能性があります。
膝の内側の痛みだけでも色々なスポーツ障害があります。
「膝の内側の痛みで考えられるスポーツ障害」
- 鵞足炎
- 内側側副靭帯損傷
- 半月板損傷
- タナ障害
膝の内側の痛みといっても、一般的に考えられるものでも四つありますが、この中でも今回は鵞足炎について解説していきたいと思います。
鵞足炎とはなにか?
太ももの筋肉である縫工筋、薄筋、半腱様筋という三つの筋肉がすねの骨の上部で一つにまとまっている部分の炎症を鵞足炎と言います。
・症状
鵞足炎の主な症状は運動時の痛み(膝の曲げ伸ばし)、圧痛、腫れです。
痛みがなかなかひかず症状が慢性的になってくると何もしていなくても痛みが出たり、普通に歩くだけでも痛みが出てきます。こうなってくると、痛みによって正常な歩行ができずに膝をかばった歩行をすることにより、また別のところにも痛みや違和感がうまれてきてしまいます。
・鵞足炎の原因
主な原因は膝の曲げ伸ばしによる筋腱と骨の摩擦です。陸上競技など走るスポーツに多く、ランニングでのオーバーユースによっておこります。
筋肉に柔軟性があり柔らかければ基本的に使い過ぎで怪我をすることは少ないです。
準備運動など筋肉の緊張をほぐすことをしないと筋肉が硬いまま運動をすることになり怪我につながります
また身体のアライメント異常も関係しています。足の土踏まずが落ちてべた足になってしまう“扁平足”や、膝の変形である“О脚、x脚”も痛みの原因になっています。
アライメント異常は関節や筋肉が正常とは異なる位置にあることによって、筋肉に余計な負荷がかかっている状態です。その状態で練習を続けると負荷が積み重なり筋肉が硬くなって怪我をしてしまいます。
*ちなみに・・・鵞足は、縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はっきん)、半腱様筋(はんけんようきん)が腱となって膝の内側で脛骨(すねの骨)に付着しています。その付着部位が、ガチョウの脚のように見えることから鵞足と呼ばれて言います。
一般的な治療方法
整形外科などでは、靱帯や半月板などほかにも合併して怪我をしている可能性がないかどうかを確認するためにMRIやレントゲンなどのよる画像診断が行われることが大半です。
画像診断に異常が認められない場合、患部に対し電療法やマッサージ、リハビリなどを行い程度によっては痛み止めなどのお薬が処方されることが多いです。
患部は冷やした方がいいの?温めた方がいいの?
患部が炎症して熱を持っている時期は基本的に患部を冷やします。とくに怪我をして間もない時期は炎症を抑えるためにしっかりアイシングをしましょう!熱や痛みがひいてきたらストレッチも加えて安静にします。
痛みが出るトレーニングは出来るだけ控えてください。
慢性的な痛みで熱感がなければ、アイシングは逆効果になってしまうのでそういった場合は患部を温めましょう。患部を温めることによって血液の循環を促進し、傷ついた筋肉の回復を促します。
自分でできる対処方法
炎症が落ち着いてきたら患部へのストレス軽減のために下半身、股関節周りの筋肉の柔軟性を確保することが大切になってきます!とくにももの前側の筋肉である大腿四頭筋、ももの後ろ側の筋肉であるハムストリングス、ももの内側の内転筋群が重要です。ここではこれらの筋肉のストレッチをご紹介します!
ウォーミングアップ、クールダウンまた家で時間のある時にやってみてください!
①ハムストリングのストレッチ
立って行う場合
椅子などの上に伸ばす方の脚をのせ、膝が曲がらないようにまっすぐにします。この時つま先は上向きです。
足の付け根または太ももあたりに手を置き、上半身をゆっくり倒していきます。猫背にならないように背筋を伸ばしたまま倒していきますこれで30秒伸ばしていきます。
つま先を外側に開き、上半身は内側に傾けます。これでハムストリングの外側をストレッチできます。ハムストリングの内側も伸ばすために、つま先を内側に開き同様に伸ばしていきます。
②大腿四頭筋のストレッチ
立って行う場合
片足立ちになります。伸ばす方の脚の足首をもって膝を曲げます。モモの前側に伸びている感覚があればそこで30秒キープします
寝て行う場合
仰向けに寝たら、伸ばす方のつま先をもってお尻まで引き寄せてきます。これも30秒キープします。
③内転筋群のストレッチ
寝て行う場合
上向きに寝ます。ストレッチする方の膝を曲げて徐々に外側に膝を倒していきます。最大にひざが倒れたところで30秒キープします。
反対側の骨盤や脚が浮き上がってこないように注意してください。
ストレッチを手伝ってくれる人がいたら写真のように行ってみてください。一方の手は骨盤あたりを固定、もう一方の手で膝あたりに手を置き、痛気持ちいところまで押して伸ばしましょう。
立って行う場合
肩幅より広く脚を開き、上半身を前に倒していきます。手の指先を反対足のつま先に近づけます。できれば30秒キープしますが、腰を痛めている方などは自分の出来る範囲の秒数で行ってください。このストレッチはハムストリングも伸ばせるのでやってみてください!
安静にしないといけないけど練習をどうしてもしたい、ライバルに差をつけられたくないと思っている方も多いと思います。どうしてもトレーニングをしたい方は十分なウォーミングアップ、クールダウン時にこういったストレッチをしっかり行ってください。
ストレッチの注意点
ストレッチは伸ばすことで筋肉や腱に刺激を与えます。代謝を活性し、血行が促進されることにより筋肉の疲労回復を促す効果がある簡単な方法です。
・温めておこないましょう
身体が冷えていると筋肉は伸びにくく、筋肉が傷つきやすいです。
お風呂上がりや簡単なウォーミングアップをしてから行うと効果が高いです。
・反動をつけずに行いましょう
ストレッチを行う時はリラックスした状態で始めましょう。
ゆっくりと徐々にストレッチの強さを上げていきましょう。
それによって筋肉がリラックスしより効果的にストレッチが行えます。反動をつけてストレッチを行ってしまうと、逆に筋肉が緊張してしまいあまり効果がないうえに筋肉を痛める原因にもなってきますから気をつけましょう。
・呼吸を止めないようにしましょう
ストレッチを行うとどうしても息を止めながらやってしまう方が多いですが、そうすると筋肉への酸素や栄養が上手く供給されません。そうならないためにゆっくりとした呼吸をしてください。呼吸を止めないように心がけましょう!
最後に
大事な試合の前に膝をけがしてしまって、いつものように走ることができずに不安なまま大会に臨まなければならないのは本当に辛い事です。
怪我をしてなかったらもっと走れたのにと思いますよね。
私自身もそういった経験があるのですごくわかります。
安静にしないといけないのはわかるけどそんなこと言っていられない方はぜひ今回説明した方法を実践してみてください!
無理のない範囲で行ってくださいね!